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2025.05.27
大阪・関西万博 公式スパークリングワイン「フェッラーリ・オマージュ」を楽しむ!

イタリアには非常によい思い出のあるブランドがたくさんある。もう少し丁寧に言うと、ヘッドクオーターやファクトリーを訪ねてブランドの背景やアイデンティティを知り、また、その場に流れる空気感、人々を観察し、そこにあるすべてを五感で感じることで、ますます好きになったブランドがある、といったほうがいいかもしれない。
第2の故郷ナポリでいえば、これまでに何度も訪ねているアルツァーノのキートン、サルトリア ナポレターナの聖地カサルヌオーヴォにあるイザイアには、言うまでもなく感動した。
ビエッラのクアローナにあるロロ・ピアーナの生地ファクトリー、ウンブリア州ソロメオのブルネロクチネリ、あるいはマルケ州のチヴィタノーヴァ マルケ近郊カゼッテデーテにあるトッズも大変素晴らしかった。チヴィタノーヴァ マルケ近郊といえば、コッリドリアのサントーニにも2度訪れたが、2度目の訪問時は企業として格段の成長を遂げており、その素晴らしい理念に大いに共感した。
アブルッツォ州ペンネのブリオーニは恋するほど素晴らしい仕立ての芸術だったし、素晴らしい設備と職人の持続性、クリーンな環境に度肝を抜かれたという点では、フィレンツェ郊外、カッパヌッチアにあるフェンディの「フェンディ ファクトリー」は圧巻だった。
そう、そして今回お会いしたマッテオ・ルネッリ氏率いるフェッラーリ本社を2023年に訪れたのも、一生忘れることのできない素晴らしい思い出となった。山々の美しい畑にこの上ない愛情を注ぎ、丹精込めてブドウを育てていることで、あの素晴らしいスプマンテが生まれることを実際に自分の目で見て知り、彼らのその真摯な姿勢に、僕はますます恋をしたのだった。
ちなみにここであげたブランドはすべて、イタリアを代表する118社が名を連ねる、アルタガンマ財団のメンバーだ。
文・藤田雄宏
アルタガンマ財団は、4月13日に開幕し、大いに盛り上がりを見せている大阪・関西万博の公式パートナーでもある。
同財団は、ファッション、デザイン、ジュエリー&時計、フード&ワイン、ホテル、車、ヨットの7部門において、イタリアを代表する118の高級ブランドを集めた非営利団体だ。
イタリアの文化的・創造的産業の魅力を世界に発信していくのに加え、日本とイタリアの経済・文化的な繋がりを深化させる架け橋になるという点で、今回の万博において、アルタガンマ財団は非常に大きな役割を担っているのだ。
そんな同財団の会長を2020年から担っているのが、フェッラーリ社 社長兼CEOのマッテオ・ルネッリ氏だ。
フェッラーリは、イタリア大統領官邸をはじめ、国外のイタリア大使館での公式晩餐会でサーブされており、スポーツ、ファッション、エンターテインメントの世界においても欠かせない、イタリアの華あるスプマンテの象徴だ。2021年から2024年までは、
Formula1®のオフィシャルパートナーを務め、表彰台で使用される“勝利”のスプマンテとして振舞われた史上初のイタリア製スパークリングワインにもなった。
そして今回、大阪・関西万博においても、同社のスプマンテ「フェッラーリ・オマージュ」が、イタリア・パビリオンの公式スパークリングワインに選ばれた。
大阪・関西万博の公式スパークリングワインに選ばれた「フェッラーリ・オマージュ」とともに微笑むフェッラーリ社マッテオ・ルネッリ社長兼CEO。
フェッラーリはアルタガンマ財団の理念と深く結びついており、芸術的な高い品質と企業の社会的責任を両立させている模範的存在だ。
「イタリアのラグジュアリーなライフスタイルのアンバサダーであり続けることが、私たちアルタガンマ財団の、同時にフェッラーリ社の高いモットーであり目標でありますので、イタリア・パビリオンの公式スパークリングワインに選ばれ、世界に向けて発信できることを大変嬉しく思っています」とルネッリ氏。
そして、こう続けた。
「イタリア・パビリオンを見て、数多くのさまざまなアートが展示されていることに感銘を受けました。今回の目玉のひとつである、ナポリ国立考古学博物館からやってきた『ファルネーゼのアトラス』、バチカン美術館からやってきたカラヴァッジョの『キリストの埋葬』、さらにはボッチョーニの作品もあり、また、芸術だけでなく、科学、テクノロジー、創造のアイデアに満ち溢れた素晴らしいパビリオンになっているとに感銘を受けました。アルタガンマの会長としては、財団の象徴である正二十面体の大きなモニュメントが飾られていることも誇りに思います。これはダ・ヴィンチが作った正二十面体の物体ですが、イタリアの究極の美を表現していると言われており、私たちアルタガンマ財団の象徴的なモチーフでもあるのです」
高さ約2メートル、重さ2トン、紀元2世紀の印象的な大理石彫刻、「ファルネーゼのアトラス」は、ナポリ国立考古学博物館の至宝。長いマントで覆われ、両手で肩の天球儀を持ち、猫背で膝を曲げたアトラスの姿が彫られている。大阪・関西万博のイタリア・パビリオンのイタリアのシンボルとなっている。
バチカン美術館の絵画館から約30年ぶりに日本にやってきたカラヴァッジョの名作「キリストの埋葬」(1602年)。
ダ・ヴィンチが作った物体であり、財団の象徴である正二十面体の大きなモニュメント。イタリア・パビリオンを入った瞬間、こちらの存在に目を奪われる。
「人間の手仕事によって造られている私たちのブドウ畑は山をブドウの木で美しくデコレーションしているともいえます。ブドウがより成長しやすいように人間の手できっちりケアした畑は、美しい庭園のように見えます。アッシジの聖フランチェスコは、単純な手仕事も真心と情熱を込めたら、それはアートになるという言葉を残しました。私たちが丁寧に大切にケアしながら働く畑仕事もアートと言えます。ワインは伝統と土地の文化を具現化した芸術作品なのです。長い熟成の期間を経ることで育まれていくワインは芸術と深い繋がりがあるのです」
シャルドネ100%の「フェッラーリ・オマージュ」は、標高の高い山々の斜面の畑で育った、トレントのテロワールを表現したスパークリングワインだ。トレントDOCの特徴である非常にイキイキとした酸と果実感を楽しめる。ラベルには日本の伝統的なモチーフがあしらわれており、それは両国の長年の友情の証だ。フレッシュ感があり、フィネスのあるエレガントなスタイルで作られているフードフレンドリーなワインゆえ、食前酒や食中酒としても楽しめる。マッテオ氏は、イタリアの食事にはもちろん、和食、さらには懐石料理ともとても相性がいいと語っていた。
さて、イタリア・パビリオンの屋上には、イタリア式の庭園が広がり、その隣にはEATALYのレストランが併設されている。
最先端技術と伝統が融合したイタリア・パビリオンで、イタリアの多様で素晴らしい文化を体験したあとは、イタリア各地の郷土料理、そしてぜひとも「フェッラーリ・オマージュ」を楽しんでみてはいかが?
「フェッラーリ・オマージュ」は、フェッラーリ社が日本との長年の友情に感謝の気持ちと敬意(オマージュ)を込めて造った、特別なスプマンテ。エチケットにあしらわれた和風の美しい模様が日本を華やかに祝福している。 醸造方法:9月中旬に手摘みにて収穫。温度管理されたステンレスタンクで自社培養酵母を使用し、12日間発酵(発酵温度20℃)。最低40ヶ月間瓶内熟成させるメトド・クラッシコ製法(シャンパーニュ製法)。アペリティフとして、魚、野菜、軽めの肉料理、和食、天ぷらなどにとてもよく合う。ITALIAKARAにて購入可能。
ブドウはシャルドネ100%で、黄金色に輝くきめ細やかで持続的なペルラージュ。熟したリンゴ、白い花、成熟した果実、長期熟成に由来するブリオッシュやヘーゼルナッツの香り。フレッシュでキレがあり、ドライでエレガント、美しい酸を備えたバランスの取れた、トレンティーノのシャルドネの典型的な味わい。フレッシュ感と心地良い熟成感を伴う余韻が長く続く。