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2025.10.09

10/11(土)~10/13(月) ラコタハウス大阪店で「スティレ アメリカーノ」の限定マリネッラを手に入れる!

イタリア出張中は、いつもひとりでカメラ機材を抱え、取材に歩き回っている。


そんななか、今年6月のナポリでは、名門マリネッラの日本代理店であるSDIの藤枝惠太社長、オールデンの輸入総代理店ラコタの血脇 弾社長のおふたりと、週末をともに過ごす機会に恵まれた。

 

向かった先は、昨夏、マリネッラ創業110周年の記念パーティが開かれたCava Regia(カーヴァ・レージア)。

ソレント半島の入り口、ナポリ湾を望むヴィーコ・エクエンセの断崖に位置する、南イタリア屈指のエレガントなビーチクラブだ。
かつて石灰の採石場だった場所をリノベーションし、自然の岩壁を背に段状に広がるテラスからは、ヴェズーヴィオ山とソレント半島を見渡す絶景が広がる。

 

ふたりが親しいのは以前から知っていたが、この日、ナポリの陽光を浴びながら見た血脇社長のリラックスした表情を見て直感した。

 

ここから、何かが生まれるぞ! 直感は嬉しい現実となった。

 

来たる10月11日(土)から13日(月)までの3日間、ラコタハウス 大阪店にて、マリネッラのポップアップイベントが開催されることとなったのだ。

 

 

 

Cava Regiaにて。サッカー セリアAのSSCナポリのキャップをかぶっているのが藤枝氏、シュプリームのTシャツを着ているのが血脇氏だ。

 

 

Cava Regiaに設けられたマリネッラのサマーブティック。

ここを訪れると、マリネッラが改めてナポリ湾とともに歩んできたブランドであることを改めて実感する。

藤枝氏が着用しているTシャツはマリネッラの110周年記念に作られた限定Tシャツ。

 

 

 

写真・原稿  藤田雄宏

 

 

 

10月11日(土)~13日(月)の3日間、ラコタハウス大阪店で開催されるマリネッラのポップアップイベントで並ぶマリネッラの特別仕様のストライプタイ。

ネクタイを締めたときに自分で上から見てストライプが右上がりになる「スティレ アメリカ―ノ(アメリカンスタイル)」仕様のネクタイを8種類展開する。

 

 

藤枝惠太氏(左)と血脇 弾氏(右)。お父様の藤枝大嗣氏と血脇孝昌氏が親友ということもあり、ふたりも自然と親友に。今回、血脇氏をナポリに案内し、お互い確認できたというマリネッラとオールデンの親和性について語っていただいた。

 

 

 

血脇

「マリネッラは創業当時、英国製のシャツやネクタイを始めとするさまざまな製品を扱う店だったそうですね。そして、今なお英国からシルクの生地を使用しているわけですが、実はオールデンも創業者はイギリス人で、ボストンに渡ってブランドを創業したんです。Aldenのロゴの下にあるNew Englandの表記には、地域の伝統的な職人気質や保守的なクラフツマンシップへの誇りが込められているんです。ナポリでマリネッラの工房で職人が丁寧にネクタイを仕立てている姿を見学させてもらったとき、オールデンの靴作りと通じるものを感じました。どちらのブランドも、時間と手間を惜しまないモノ作りを今も守り続け、長く愛着をもって使っていただけるお客様によって支えられています。ナポリの街を歩きながら、これはいいなと素直に思いましたね」

 

 

藤枝 

「オールデンって、国とかスタイルの枠を超えた靴だと思うんです。どんな装いにも不思議と馴染むというか、結びつける力がある。そこがブランドの大きな魅力ですよね。私自身もオールデンが大好きですし、私の周りのイタリア人も皆本当にオールデンが大好きです。アメリカの靴とイタリアのネクタイという、一見共通するところがなさそうなのにふたつが並んで違和感がないのは、やはり、両者のモノ作りの哲学が近いんだと思います。今回、血脇社長にもショップや工房を見ていただいて、そのあたりの感覚を共有できたのは、私もとても嬉しかったです」

 

 

 

藤枝氏私物のオールデンのタッセルスリッポンとマリネッラのプリント小紋タイ(左と中央)。右のタイはガルザ。靴はジャケット&パンツのスタイルのときに愛用。余談だが、世界で初めてタッセルスリッポンを手がけたのはオールデンだという。それがブルックス ブラザーズとのダブルーネームで世界中に広まり、このデザインが深く浸透していったのだそう。

 

 

藤枝氏愛用のオールデンのスエードチャッカブーツと私物のマリネッラ。秋冬のジャケパンスタイルにオールデン。イタリアの仕立て服にも、ジーンズにも合う懐の深さがオールデンの魅力だ。

 

 

血脇

「今回、初めてナポリを訪れたんです。治安が悪いという話をよく聞いていたのですが、実際に行ってみたら全然そんなことはなかったです。街の雰囲気も人もとても温かくて、とてもよい印象をもちました。もうひとつ意外だったのは、ナポリに対してスーツの街的なイメージを持っていたのですが、海が近くて開放的でありながら、文化や品格が感じられた点です。そのバランスがとても魅力的で、共感できる部分がとても多かったですね」

 

 

藤枝

「せっかくお越しいただいたので、ビーチクラブのカーヴァ・レージア、カプリ島にオープンしたマリネッラの新しいショップもご案内させていただきました。ある意味、ナポリ人たちが過ごす夏の優雅なリゾートスタイルを肌で感じていただきたかったのと、ナポリのショップとは異なるマリネッラの一面を、ビーチクラブとカプリのショップで感じていただけるかなと思ったのがその理由です。同店がユニークなのは、“ネクタイ”や“男性”といったイメージを超えて、ライフスタイル全体へ、そしてジェンダーを越えた新しい方向に広がっているところです。今日のマリネッラが掲げているのは、まさに女性へのアプローチなんです。カプリ店のラインナップを見ても、女性客を意識したアイテムが多くなっています。その流れの中での新しいトピックとしては、マックスマーラの2026年リゾートコレクションで、マリネッラとのコラボレーションが実現しています」

※マックスマーラ創業年である1951年のマリネッラのネクタイ柄をベースにした、シルクのパジャマやドレス、刺繍入りのカシミアニットなどが見事な再解釈のもとに発表。

 

 

今年オープンしたカプリ店。ネクタイだけでなく、トータルブランドとしてのマリネッラ、カプリの優雅なライフスタイルに寄り添うコレクションが揃う。

 

 

藤田

「横からすみません。それは面白いですね! マリネッラの魅力って、イタリアの意外なところにまで深く浸透していて、だからこそ僕たちの想像しないところで、新しく斬新なプロジェクトやコレクションが生まれてくるわけですね。ところで、ナポリのマリネッラのショップでは、以前オールデンの靴を扱っていましたよね?」

 

 

藤枝 

「そうなんです。今はメイド・イン・イタリーで揃えていて扱っていないのですが、ナポリのショップでは、かつては10年間にわたってオールデンの靴を展開していました。2階のショールーム(1階は20㎡しかなくほぼネクタイのみが並んでいるが、2階ではマリネッラのフルコレクションが揃っている)に靴のコレクションが揃っているのですが、実はマリネッラの靴って、ベリーブリティッシュなんですよね。でも同時に少しアメリカっぽい雰囲気もあって、以前オールデンを扱っていたのが伝わってくるラインナップになっていると思います。トラッドの薫りがあって、そういうスタイルを好む人たちに自然と響くんです。あとは、単純にイタリア人はアメリカ文化が好き、という感覚もあると思います。そのあたりの感覚は日本人ともとても近いのではないでしょうか」

 

 

今も創業時と変わらない僅20㎡の広さの本店の1階にて、左から、3代目のマウリッツィオ・マリネッラ氏、血脇 弾氏、4代目のアレッサンドロ・マリネッラ氏。彼らはいつ訪れても温かく迎えてくれる。

藤枝氏が話したように、ナポリの人々に広く愛されているナポリの象徴といえる店にまでなったからこそ、ナポリに来たらマリネッラを訪れたくなるのだ。

©藤枝惠太

 

 

 

血脇

「戦後、多くのメーカーが合理化を進めるなかで、オールデンは同じものを作り続けるという姿勢を貫いてきたんです。新しいパーツを採用する場合も、それを長く供給できるかどうかをまず確認する。だから素材の仕入れも、できるだけ工場の近くから、長い付き合いのなかで続けているんです。万が一、仕入れが途絶えても半年から一年は困らないように、凄まじい量の素材やパーツのストックがあるんです。あそこまで抱えている工場は、世界でもそう多くないと思います。オールデンは変わらないことを大切にしているブランドで、そこはマリネッラにも大いに通じるところがあると思うのですが、それが結果的にお客様の満足度を高めているんだと思います」

 

 

藤田

「確かにオールデンはいい意味でまったく変わらないですよね。そこに安心感があるというか」

 

 

血脇

「私がラコタに入社したとき、最初の研修で3週間ほどアメリカに行って、オールデンの工場を見せてもらいました。靴作りの現場はもちろん、職人の生活や文化まで見てきましたが、それまで8年間LAに住んでいましたので、最初の印象は田舎だなって(笑)。本社ファクトリーは驚くことに林の中にあるんです。もともとはカスタムブーツメーカーとして始まった会社で、最初はオーダーメイドの靴しか作っていなかったそうです。つまり、最初から高級靴を作るDNAがあったわけなんですよね。そこからいくつかの靴工場を買収して木型が増え、今の体制ができたわけですが、頑なに自分たちのモノ作りを変えずに貫いているなというのは、そのときから今日まで携わってきて、広く感じているところです。アメリカでは100年続いている企業は本当に少ないですが、オールデンはその数少ない一社です。近年では、トランプ政権以降、若い世代のあいだで“アメリカ製を見直そう”という意識が強まっていて、オールデンに対する注目が高まっているのも感じています。マリネッラも、4代目のアレッサンドロさんの代になって、ブランドの根底にあるものを守りながら、若い人たちへのアプローチも非常にうまくできているように思います」

 

藤枝

「私もマリネッラのナポリの本店に8ヶ月間立たせてもらい、毎日その瞬間、新しい自分の知らない文化を知ることができたのは大きな財産になりました。イタリア人は言葉が通じなくてもフツウに話しかけてきてくれますし、上手くコミュニケーションを取ってくれるんです。そのうち言葉がわかるようになって、彼らが何を話しているのかっていうと、天気とかサッカーとか今晩の食事の話とか、日常の些細なことなんですよね。でも、そうやってお店とお客様の関係が繋がっているんだなっていうのはすごく感じました。私がいた2008年はまだ日本人の観光客も多く、もちろんアジアや欧米からの観光客もいて、世界中の方にお店に足を運んでいただきました。そこは港町というナポリのもつ力、そしてこれだけ地元の人から愛されているからこそ、世界中の人々に愛されるブランドになったんだなっていうこともよくわかりました。地元から愛されていないのに世界的ブランドにはなかなかならないと思うんですよね。ナポリの人が誰もが大好きだから、遠くからも、そのブランドをめがけて多くの人が訪れてくるんだな、というのは当時も感じました。それが象徴的に感じるのが、クリスマスの時期ですね。みんなギフトで並んでも買いに来てくれますからね。ナポリの人でマリネッラを知らない人いないですから。話は戻りますが、そんなマリネッラも、新しい試みは続けていて、今回のポップアップイベントのためにナポリが用意してくれた“スティレ アメリカーノ”のネクタイは、まさに今のマリネッラらしい試みだなと思います。締めたときに自分で上から見て右上がりのストライプになるアメリカスタイルの仕様になっており、スティレ イングレーゼがベースのマリネッラにとって、ブランドの長い歴史の中でも非常に貴重な1本となるのではないでしょうか」

 

 

 

 

 

 

ラコタハウス 大阪店でのマリネッラのポップアップイベントのために用意してくれたのが、上記写真の8種類のネクタイ。

大剣幅は8.5㎝、長さは148㎝。本数限定で、各¥41,800

 

 

 

 

[イベント詳細]

ラコタハウス 大阪店 E.Marinella  Pop Up Event

10月11日(土)~10月13日(月)12:00~20:00

大阪府大阪市中央区北浜3-6-22  淀屋橋ステーションワン1F
Tel. 06-6210-2373

マリネッラのマネージャー外島大輔氏がラコタスタッフのスタッフとともにご案内。

限定のネクタイだけでなく、セッテピエゲを始めとするネクタイのコレクション、

折り畳み式ブリーフケース「ソットブラッチョ」など、さまざまなアイテムも並ぶ予定。

 

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